【小学生編②】小学校3年生。また学校へ行けなくなった。
2年生は比較的落ち着いて学校へ通えていました。
毎朝ランドセルを背負い、当たり前のように学校へ向かう日々。
「このまま普通に学校へ通えるようになるのかな。」
そんな期待を抱いていました。
ですが、その日々は長くは続きませんでした。
私は保育園の頃からサッカークラブに入っていました。
正直、なぜ始めたのかは今でも覚えていません。
ただ一つ覚えているのは、試合の日が近づくたびに気持ちが重くなっていたことです。
「お腹が痛い。」
「気持ち悪い。」
「雨が降って中止にならないかな。」
そんなことばかり考えていました。
今思えば、小さい頃から人前に出ることや、新しい環境に飛び込むことがとても苦手だったのだと思います。
3年生の夏休み。
サッカークラブの合宿がありました。
当日の朝も、私は泣きながら家を出ました。
仲の良い友達も参加していました。
それでも行きたくありませんでした。
親も心配そうな顔をしていましたが、「きっと大丈夫」と送り出してくれました。
私は不安な気持ちを抱えたまま合宿へ向かいました。
ところが、合宿が始まると予想していたこととは違いました。
新しい仲間と出会い、一緒に練習をして、ご飯を食べて、イベントでは思いきり笑いました。
最初は不安しかなかったのに、気づけばその不安は少しずつ消えていました。
「来てよかった。」
そう思えるくらい楽しい時間になっていました。
最終日には笑顔で家へ帰ることができました。
親も、
「よく頑張ったね。」
とたくさん褒めてくれました。
私自身も、
「これで大丈夫。」
そう思っていました。
ですが、その気持ちは長くは続きませんでした。

家へ帰ってから、心の中に説明のできないモヤモヤが残っていました。
「もう学校へ行きたくない。」
理由は分かりません。
友達が嫌だったわけでもありません。
先生が怖かったわけでもありません。
勉強が嫌だったわけでもありません。
なのに、学校へ行こうとすると体も心も拒否してしまうのです。
当時の私は、その理由を言葉にすることができませんでした。
だから親に聞かれても、
「分からない。」
そう答えることしかできませんでした。
今振り返っても、「なぜだったのか」と考えることがあります。
でも、あの頃の私は、本当に理由が分からなかったのです。
夏休みが終わり、新学期が始まりました。
すると、小学1年生の頃と同じように、また学校へ行けなくなりました。
朝になると涙が止まりません。
ランドセルを背負うだけで苦しくなりました。
親に連れられて学校へ向かう毎日。
教室へ入ることができる日もあれば、泣いてしまう日もありました。
休日になると、「明日は学校だ」という気持ちが頭から離れず、不安ばかりが大きくなっていきました。
学校へ行くことはもちろん、朝を迎えることさえ怖く感じていました。
ある日、泣きながら家を飛び出そうとしたことがありました。
すると、ちょうど祖母が家へ向かって歩いてきました。
祖母は私を叩き、その衝撃で鼻血が出ました。
幼かった私は何が起きたのか分からず、ただパニックになりました。
今振り返ると、祖母も毎日悩み続ける両親を見て、「何とかしなければ」という思いだったのだと思います。
家族みんなが必死だったことは、大人になった今だからこそ分かります。

その日は、そのまま祖母の家へ泊まることになりました。
最初は家を離れることが不安でいっぱいでした。
知らない場所ではありません。
何度も遊びに行ったことのある家です。
それでも、その日はとても心細く感じました。
そんな私に祖母は何度も、
「大丈夫。」
「大丈夫だからね。」
そう声をかけてくれました。
その言葉が、どれほど安心できたか今でも覚えています。
それから毎週のように祖母の家へ泊まりに行くようになりました。
少しずつ気持ちが落ち着き、以前より学校へ通える日も増えていきました。
今振り返ると、あの頃の私は学校が怖かっただけではなく、「安心できる場所」を探していたのだと思います。
学校でもなく、自分の部屋でもなく、ただ「ここなら大丈夫」と思える場所が必要だったのかもしれません。
小学3年生は、私にとって「理由の分からない不安」と向き合った一年でした。
当時は、自分でもその気持ちを説明することができませんでした。
でも今なら、「理由が分からないからこそ苦しかった」のだと分かります。
同じように理由は分からないけれど学校へ行けない人がいたら、「自分だけじゃない」と伝えたいです。
あの頃の私のように、安心できる場所が一つでも見つかることを願っています。