【小学生編③】『行きたくない』が『行ける』に変わった2泊3日の野外活動
小学5年生。
学校へは通えるようになっていましたが、私の前には、もう一つ大きな壁がありました。
それが、2泊3日の野外活動です。
当時の私にとって、家を離れて泊まることは、とても怖いことでした。
「もし途中で体調が悪くなったらどうしよう。」
「また学校へ行けなくなったらどうしよう。」
そんな不安が頭の中を何度もよぎり、野外活動のことを考えるだけで胸が苦しくなりました。
私の様子を見ていた親も心配し、担任の先生へ相談してくれました。
先生は話を聞くために親を学校へ呼び、私が安心して参加できるよう、一緒に考えてくださいました。
それでも、不安は簡単には消えませんでした。
野外活動が近づくたびに、私は何度も親へ言いました。
「行きたくない。」
「行かないとダメ?」
親はそのたびに、
「大丈夫。きっと楽しいから。」
と励ましてくれました。
でも、その言葉を聞いても、不安がなくなることはありませんでした。
そんなやり取りを、1週間以上も繰り返していたことを今でも覚えています。
そして迎えた当日の朝。
不安を抱えたまま、なんとか家を出て学校へ向かいました。
教室には、いつもと変わらない友達と担任の先生がいました。
少しだけ安心したものの、バスへ乗り込む瞬間まで心臓はドキドキしていました。
「本当に大丈夫かな。」
そんな気持ちのまま、野外活動が始まりました。

最初は緊張していましたが、みんなで協力してご飯を炊き、カレー作りをしているうちに、少しずつ笑顔が増えていきました。
私はキャンプの経験があったので、火おこしや準備を手伝うと、友達から頼りにされる場面がありました。
「ありがとう。」
その一言が、本当に嬉しかったことを覚えています。
「自分でも誰かの役に立てるんだ。」
そう思えた瞬間でした。
夜になると、また少し不安が戻ってきました。
布団へ入っても、最初はなかなか眠れませんでした。
でも、友達とくだらない話をしたり、一緒に笑ったりしているうちに、不思議とその不安は小さくなっていきました。
あれだけ怖かった2泊3日は、終わってみると本当にあっという間でした。
学校へ戻ると、迎えに来てくれた親がいました。
私の顔を見ると安心したように笑って、
「頑張ったね。」
と声をかけてくれました。
その言葉を聞いた瞬間、無事に終わった安心感と達成感で胸がいっぱいになりました。
そして、そのとき初めて思いました。
「自分にもできるんだ。」

この野外活動は、私にとって「泊まれた」というだけの出来事ではありません。
「怖くても挑戦すれば乗り越えられることがある。」
そう教えてくれた、大切な経験でした。
野外活動のあとも学校へ通い続けることができ、少しずつ以前より活発に過ごせるようになりました。
もちろん、このあとも順風満帆だったわけではありません。
それでも、この2泊3日の経験があったからこそ、「また頑張ってみよう」と思える自分がいました。
今振り返ると、あの野外活動は、私が初めて「自分を信じられた日」だったのかもしれません。
あとがき
もし今、学校行事や宿泊学習が不安でたまらない子がいるなら、無理に「大丈夫」と思う必要はありません。
私も当時は、本当に怖かったです。
それでも、一歩踏み出した先には、自分でも想像していなかった景色が待っていました。
この経験が、今同じように悩んでいる誰かの背中を、少しでも押すことができたら嬉しいです。